笹竹は長さ1.5メートルほどある。
声をかけて棒を立てる。
棒の根本は石の幟立て用の仕掛けに挟まれている。
この石の仕掛は、幟を立てる時だけに使われる。
となると、当町内会では年に2回である。
それも一回七時間である。
この年14時間のためにだけ使われ、他の363日はただ立
っているだけである。
一度設置すれば石なのでほぼ半永久的に使える。
摩耗も腐敗も腐食もない。
コストパフォーマンスは高いが設置時の経費はそれなりの
ものがあったことであろう。
立てられた棒をロープにより固定する。
調子を見ながら引っ張り、最寄りの固定物に縛り付ける。
これで幟立ては完了である。
では、続いて祭典があるのかと言えば無い。
これで解散である。
ただ幟を立てるだけなのである。
禰宜さんによる祭典は午後3時半からの撤去の30分前に
行われる。
「なんだそりゃ?」と言われそうである、
だが、当町内会ではずっとそうである。
町内会長の挨拶が行われて、作業は終わった。
あぁ、これで一安心である。
私としては寝過ごさずに参加できて良かった。
帰り道は、少し強くなって朝の光で明るくなっていた。