町内会長さんが、若手の役員に声をかけた。
「御札、買って」
優しい感じの口調である。
だが、拒否を受け付けないようなニュアンスがある。
御札とは先日希望者を募った伊勢神宮からの天照皇
大神の御札のことである。
買って、ということは町内会に枚数のノルマがあるの
だろう。
あぁ、こういうことがあるから神道はもう一つ好きにな
れないのだ。
綺麗な点を強調し、そうではないことは下々の者に任
せてそのままでいる。
枚数を押し付けられた会長さんも困ってしまう。
買ってくれる人を探すことになる。
そうせざるをえない細かい事情は公にでは出来ない。
ひとりずつ買ってくれそうな人に直接会ってお願いする。
町内会長は、こういうこともしなければならないのだ。
伊勢神宮も、もう少し考えたほうが良い。