弘法大師のお堂を出る。
良い天気である。
もう一か所寄って行こう。
私は自転車を発進させる。
向かう先は熊野神社である。
この稲荷神社から東に5キロほどの一帯には宗教施設
が多くある。
ほぼ直線に並んでいる。
それらの宗教施設の年間参拝者数を合計すると200万
人は優に超えている。
私は熊野神社に参拝するのは初めてである。
そこは町中にありながら神社への道が一本しか無い。
神社の森で囲まれており道がそこで途切れているのだ。
神社に行く用事が無い人は、その道を通らない形となっ
ている。
そのためか私は長年近くに住んでいても一度も参拝する
機会が無かった。
神社があることは知っていた。
当地のかつての城主ゆかりの神社で、地域の歴史話に
は名前が出てくる場所だからである。
道を左折して神社の森の方向へ行く。
森に近づくにつれと、少しずつ暗くなってくる。
正面の鳥居の前に着いた。
午前中なのに、暗い。
木々が光をさえぎっている。
~続く~