不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

Aさんと班の皆さん。その①

 Aさんの訃報を知らされた時のことである。
 私は班長のNさんからAさんの訃報の紙を受け取る。
 日程、会場名などが記されている。
 紙の下部にはこうある。
 「誠に勝手ながら香典の儀はご辞退させていただきます」
 ほぉ~、香典辞退か。
 「辞退するんだって。この人がそう言っているらしい」
 Nさんはそう言った。
 「この人」とはC子さんのことである。
 かつての看護師時代にはC子ちゃんと呼んでいたのに、
トーンが冷たくなっている。
 そうか、香典辞退か。
 町内では珍しいな。
 「でも班としてお花を出す予定だから、あとで集金に来ま
す」
 当班では、弔事用に少額ではあるがお金をプールしている。
 だが、年に何人も亡くなると足りなくなる。
 そうした場合は、その都度集めるのだ。
 「年に何人亡くなっても困らないように、予めお金をもっと
集めておきましょう」というのも提案しづらい。
 私はそういう意見だが、班内には弔事を極度に避けたがる
人もおられる。
 「縁起でもない!」と反対されるであろう。
 さて、班として花を出すとして、通夜・告別式には参列はす
るのだろうか?
 Nさんとの話の様子では、明言を避けつつも参列もナシと
いうことのようだ。
 遺族の意向を尊重すればそうなるだろう。

 ~続く~