不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

熱く語る宮川泰夫アナウンサー。

 数日前、私は深夜に目が覚めた。
 2時前である。
 ラジオをつける。
 私は事前に毎日の番組予定表を確認している。
 NHK-FMの「ラジオ深夜便」2時台はブルース・スプリン
グティーンの特集である。
 この日のアンカーは宮川泰夫アナウンサーである。
 宮川アナは洋楽、特にロックが好きそうな感じだと私は
以前からから推測していた。
 番組を聞いていれば、すぐにわかる。
 ミュージシャン名やアルバム名や曲名、曲にまつわるエ
ピソードを紹介する語り口が表している。
 他のアナウンサーでも同様であるが、自分が放送してい
る音楽に対して、どの程度の素養があるかは、聞いていれ
ば伝わってくる。
 「このアナウンサーはロックには疎いな」「クラシックを知
っていそうに話してはいるが、あまり知らないだろうな」「ジ
ャズを知らないんだろうな」といったことは隠せない。
 さて特集はブルース・スプリンスティーンである。
 宮川アナは、ブルース・スプリンスティーンの大ファンであ
ると告白した。
 アナウンサーが特定のミュージシャンを名指しでファンで
あると番組中に表明することは、珍しい。
 宮川アナは、熱狂的ファンのようだ。
 「顔がカッコいい」「歌っている時の様子がカッコいい」「声
が良い」とべた褒めである。
 音楽が良いといったことにとどまらず、容姿やアクションま
で讃えるのだ。
 あぁ、これは相当好きなんだなぁ。
 NHKのアナウンサーは番組中は、自制心を持って取り組
むことを基本としている。
 不偏不党を旨としているはずだ。
 そうした基本を忘れ去るほど宮川アナは、ブルース・スプ
リンスティーンが好きなようだ。
 深夜2時に、ミュージシャンに対してこれほど熱い思いを
ぶつけられるとは思ってもみなかった。
 宮川泰夫アナウンサーと言えば、「NHKのど自慢」の名司
会者として知られている人である。
 その人が実は、ブルース・スプリングスティーンの大ファン
とは、意外でちょっとおもしろい。
 NHKの洋楽番組のゲストに呼べば良いと思う。
 あれほど熱心にミュージシャンについて熱く語る人は、ち
ょっといない。
 俳優の高嶋政宏以来であろう。
 ちなみに私はブルース・スプリングスティーンについては、
特になんとも思っていない。
 極めて優れた不世出のミュージシャンだと思うが、どうも
興味が持てないのだ。
 暑苦しい感じが受け付けないのかもしれない。