不二家憩希のブログ

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サッチャル・ジャズ・アンサンブル。

 先日のNHK-FM「TOKYO JAZZ 2016」では、興味深
いバンドがいた。
 パキスタンのサッチャル・ジャズ・アンサンブル 
Sachal Jazz Ensembleである。
 パキスタンは元はインドだったが、インド北部のイス
ラム教信者が独立したイスラム教の国である。
 イスラム教においては、原則的に音楽は禁止である。
 「音楽は人を堕落させる」とされているのだ。
 教えとして強調されてはいないが、音楽は良からぬ
ものとされている。
 したがってイスラム教の儀式には音楽が一切無い。
 そうしたことが宗教儀式の範囲にとどまっていれば、
それほど問題ではない。
 だが国によっては、イスラム原理主義が大きな力を
握っている国もある。
 原理主義者はグレーゾーンを認めない。
 ダメなものは一切ダメである。
 市民生活にもイスラムの原則を強制する。
 このためパキスタンにおいては音楽文化が低迷し
消失寸前にまで陥っていた。
 その音楽のジャンルは限定されており伝統音楽や
民族音楽演奏家ばかりだった。
 そうした伝統維持すらままならなくなっていた。
 パキスタンから音楽が消えさることを防ごうと、彼ら
はある決断をした。
 国内にマーケットが存在しないのなら、国外に出よう。
 そこでは主にジャズを演奏しよう、という方針となった。
 ジャズなら汎用性が高いからであろう。
 芸術音楽としても大衆音楽としても対応可能な音楽
である。
 第一弾としてデイブ・ブルーベック・カルテットの「テイ
ク・ファイブ」をYouTubeにアップした。
 これが大反響を呼び、ファーストアルバムは成功を
収める。
 いまだ商業ベースに乗ったとは言い難いが、船出と
しては上々のようだ。
シタール無し。
















シタールあり。
白の揃いのユニフォーム以外のミュージシャンは現地調達のミュージシャンのようだ。