私は「大丈夫?」とは尋ねない。
体調が悪い人、アクシデントに見舞われている人、そう
いった人たちに対して、人は「大丈夫?」と聞く。
多くの人は、これに「大丈夫」と答えるだろう。
「大丈夫?」という言葉を受けると、つい人は「えぇ、大丈
夫」と応えてしまう。
尋ねた人を気遣ってだろうか、心配をかけまいとする気
持ちから、そう応えてしまうのだろうか。
本当に大丈夫ではない人には、「大丈夫?」と声をかけ
ても意味はない。
その返答すらできないほど苦しんでるからである。
私は「大丈夫?」とは言わない。
即時ダイレクトに「どこが悪いの?」と尋ねる。
「どこが痛いの?」と聞く。
「大丈夫?」などという言葉は、言っている方の意識の自
己満足でしかない。
(私はあなたに気を使っていますよ)という表明のポーズ
でしかない。
私も、これまでの生涯で「大丈夫?」と問われる場面が
いくつもあった。
私はそのたびに「大丈夫じゃないです」と答えてきた。
そうすると相手はどうなるか?
固まってしまい、対応ができなくなってしまう。
結局は、何もしてはくれなかった。
本当に他者を助ける用意と意識がある人は「大丈夫?」
とは言わない。
具体的に、どういった状態にあるのかを聞き取り、即座に
対処するのである。
安易な「大丈夫?」は、タイムロスでしかない。