ジャズ・アルトサックス奏者オーネット・コールマン
氏が逝去された。（以下敬称略）
コールマン登場以前には、フリー・ジャズという音
楽は存在しなかった。
一切無かった。
それに近いものすら無かった。
音楽の世界において新しい音楽が始まる時には、
何らかの胎動のようなものがある。
何人かの先駆者がいるのだ。
それらの先駆者たちは、「自分たちが新しいことを
している」という意識は持っていない。
だが、その音楽には未来を予感させる斬新さがあ
る。
められたモダンジャズにしても、先駆けとなったミュ
ージシャンは何人かいる。
しかし、フリー・ジャズにおいては先駆者は一人も
いない。
こうした事例はジャズに留まらず音楽の世界では
極めて珍しい。
他に例がない。
少なくとも私が知る限りでは、クラシックでもロック
などのポピュラー音楽でもない。
オーネット・コールマンは、真の改革者と言えよう。
そう記してきたが、私はコールマンの盤は2枚しか
持っていない。
聴けば（なるほどぉ）とは思うものの、それ以上に
聴きたいとは思えない。
他の演奏も聴いてみたい、新たに盤を手に入れよ
う、という気にならなかった。
嫌いとか苦手とかいうのではない。
一枚聴けば、それでおなか一杯になってしまうの
である。
あの妙なフレージングも何度か聴いていると、耳
につくようになる。
私の感想はさておき、オーネット・コールマンは
偉大なミュージシャンであったことは間違いない。
ご冥福をお祈りします。
