不二家憩希のブログ

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ホレス・シルバー氏、ご逝去。

 偉大なジャズ・ピアニスト・ホレス・シルバー氏が
6月18日、ニューヨーク州ニューロシェル市の自宅
で亡くなった。(以下敬称略)
 老衰とのことである。
 85歳だった。
 ホレス・シルバーはモダン・ジャズの黄金期であ
る1950年代から60年代にかけて最も人気を博し
ていたピアニストの一人である。
 シルバーは、ジャズ・メッセンジャーズというジャ
ズ・バンドを結成した。
 ジャズ・メッセンジャーズという名前はシルバー
が名付け親である。
 このバンドにはリーダーがもう一人いた。
 双頭バンドと言われる形である。
 もう一人のリーダーは、ドラマーのアート・ブレイ
キーだった。
 このデビュー・アルバムは、ホレス・シルバー
義となっている。
 だが、双頭バンドの期間は短くアルバムを5枚分
ほどの録音を残して約2年でシルバーが脱退して
しまう。
 この二人の出会いや別れ、力関係には、諸説ある。
 私もいろいろ読んだが、ニュアンス等が少しずつ
違っていたりする。
 おそらく、シルバーとブレイキーの両者が詳細に
ついて一切語っておらず、推測しかできないからだ
ろう。
 シルバーは、ジャズ・メッセンジャーズ脱退後も活
躍を続けた。
 ファンキー・ジャズの中心人物として大人気を博した。
 リズムを重視し疾走感溢れるピアノ演奏は、ジャズ・
ファンを魅了した。
 シルバーは、作曲においても希有な才能を発揮した。
 メロディアスで古びないセンス溢れる多くの曲を発表
し続けた。
 そのため「ホレス・シルバーのリーダー作には駄盤が
無い」と言われている。
 ジャズの巨人が、また一人世を去った。
 残された音源はいずれも優れたものばかりである。
 それらを聴いて、忍びたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私にとって、ホレス・シルバーで真っ先に思い浮
かぶのが、この曲である。
 「The Kicker」
 作曲はシルバーではなく、テナーサックスのジョ
ー・ヘンダーソンである。
 しかし、なんともシルバーっぽい曲調なのである。
 スポーツカーが、難しいコースを全速で走り抜け
ていくようなイメージが湧いてくる。
 私は1:19頃にヘンダーソンのテナー・サックスが、
少し変速するかのようなところがカッコいいと思って
いる。
 名盤「ソング・フォー・マイ・ファーザー」収録の一曲
である。