不二家憩希のブログ

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納谷悟朗さん、ご逝去。その④

 納谷さんと言えばやはり”ルパン三世”の銭形警
部役である。
 1971年の放送開始から2010年まで納谷さんは約
40年にわたって銭形警部を演じてこられた。
 銭形警部は正義感が強く極めて真面目で仕事熱
心な人である。
 だが、テレビアニメ作品では、物語の展開上3枚目
な部分が強調されることが多い。
 2枚目のクールな登場人物ばかりでは、バランスが
とれない。
 作品の3枚目的な役割は、銭形警部が一手に引き
受けるという形になっている。
 ルパン一味を追い詰める敏腕警部としての一面と、
彼らにしてやられるコミカルな面の両面が銭形警部
の持ち味である。
 これを元々は映画の吹き替えでは重厚な大スター
を得意とする納谷さんが担当するのである。
 役どころとしてはかけ離れているように見える。
 だが、納谷さんは楽々と役をこなしていった。
 それも当然である。
 納谷さんが所属していた劇団テアトル・エコーは、
喜劇を中心とした演目を上演する劇団である。
 コミカルな演技はお手の物である。
 納谷さんは豪快であり、ずっこけもする銭形警部を
好演された。
 銭形警部は納谷さんの代名詞的な役となった。
 銭形警部を創作したのはモンキー・パンチ氏である。
 だが、それに命を吹き込んだのは納谷さんだった。
 ご高齢だったので、私はそれなりの覚悟はできては
いたが、実際に亡くなられると寂しいものである。
 納谷さんの業績は、数多くの作品の中で生きている。
 作品を観るたびに、私たちは納谷さんのことを思い出
すであろう。
 ご冥福をお祈りしたいと思う。