不二家憩希のブログ

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遠藤太津朗さん、ご逝去。その①

 俳優の遠藤太津朗さんがお亡くなりになった。
 遠藤さんは”銭形平次”の三輪の万七親分役で広く
知られている。
 ”銭形平次”は1966年から84年まで放送された(途
中中断あり)人気番組である。
 多くの視聴者に親しまれた誰でも知っている時代劇
であるが、この作品は他とは少し異なる特徴を持ってい
る。
 主人公と同格のライバルの捜査者が存在し、両者が
競いあっているという点である。
 これはありそうでないパターンである。
 捜査課の同じくらいの年格好の青年刑事が反目して
いる、という設定はたまにある。
 だが、その場合対立の理由は単に気に入らない、と
いった他愛のないものが多い。
 それに、あくまでも同じ警察署の同じ課なのでぶつか
り合いにも限度がある。
 こうした作品の場合、二人はぶつかり合いながらも刑事
として成長していく、というのがドラマの大きな筋立てだった
りする。
 しかし、”銭形平次”の場合は、事情が異なる。
 平次親分と万七親分は、本当のライバルなのである。
 両者とも同じ奉行所の配下にあるという点で、現代の
刑事ものと近いものはあるが、この二人の親分はそれ
ぞれ独立した存在である。
 直属の上司にあたる同心(お侍)も違っている。
 今で言うところの個人事業主である。
 作品では、何とか平次親分を出し抜いてやろうと必死
の万七親分と、そんなことは気にも留めずに涼しい顔で
下手人を追う平次親分の対比がうまく描かれている。
 ドラマの最後では、いつも平次親分の後塵を拝む万七
親分が悔しがるというのがお約束である。
 憎まれ口を多いに叩きつつも決して嫌われない、とい
う難しい役を遠藤さんは、見事に演じておられた。
 ”銭形平次”における三輪の万七親分役は、遠藤さん
の代表作のひとつと言えるだろう。
 
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~続く~