ピーター・フォークは、元々愛煙家だった。
それもヘビースモーカーだったらしい。
フォークはずっと紙巻きタバコを吸っていた。
だが”刑事コロンボ”シリーズが始まると、プラ
イベートでも葉巻を吸うようになったそうだ。
役がプライベートにも入り込んだのか、それと
も単に葉巻が気に入ったのか。
では、どんな葉巻を吸っていたのだろうか。
撮影では安葉巻を吸っていても、プライベート
では高級葉巻を吸う、というスタンスも十分あり
得る。
役は役、プライベートはプライベートである。
しかし、フォークはインタビューで「私はどんな
安い葉巻でも喜んで吸うんですよ」と語っている。
世界的な大スターであっても、嗜好品にゴージ
ャスさを求めない人だったようだ。
どうやら、このあたりはコロンボ警部と同じであ
る。
コロンボ警部が葉巻を吸うという設定は、フォ
ークが作り上げたということは以前記した。
その葉巻を”安葉巻”にしたのもフォークのアイ
ディアだったのだろう。
いくら有能であっても一刑事の愛用葉巻が高級
葉巻では少々不自然だからである。
それでも米国のテレビドラマや映画には、何故
かリッチな一刑事や捜査官が登場してゴージャ
ズな暮らしをしているという作品がたまにある。
「ドラマなのだからなんでもあり」という路線の作
品である。
だが、”刑事コロンボ”ではリアリティを大切にし、
安葉巻が採用されたのであろう。
~続く~