不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

踏み切り事故の顕彰碑が立てられた。

 昨年2012年11月、埼玉県本庄市のJR高崎線
踏み切りで事故は起きた。
 買い物帰りの自転車の男性が踏み切り内でしゃ
み込んでいた。
 男性は70歳でインスタントコーヒーや砂糖を線路に
落とし、拾っていたのだ。
 その時、踏み切りが鳴り出した。
 湘南新宿ライン上りの快速列車が迫っていた。
 その時、一人の女性が線路に入って行った。
 女性は男性の両脇を抱え引きずり出そうとした。
 しかし、間に合わず、二人とも列車にはねられてし
まった。
 男性は間もなく死亡した。
 女性は搬送時には意識があった。
 そればかりか自分が助けようとした男性のけがの
状況を気にかけていた。
 二人に事前の面識は無かった。
 だが女性の容体は急変し、事故から4時間20分
後に亡くなってしまった。
 女性は近くに住む主婦の中村のり子さん60歳だっ
た。
 中村さんは90代の母親と20年以上前から本庄市
内のアパートに二人暮らしだった。
 高齢の母親は健康に優れず入退院を繰り返す日
々だった。
 事故当日も母親は入院中で、中村さんはお見舞
いに行った帰りと思われる。
 その世話をする姿は近隣の人達にも知られていた。
「他人を放っておけない性格で、倒れている男性を
見ていられなくて助けに入ったのだと思う」
 近所の方はそう語った。
 見ず知らずの人のために身を投げ出す。
 それも一瞬の判断である。
 これは、人が最も出来ないことである。
 真に崇高な人間とは、こういう人のことを指す。
 この偉大な魂は天に招かれ、その行いを讃えられ
いることだろう。