不二家憩希のブログ

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ピーター・フォーク 刑事コロンボへの日々 その55

 1971年、この年3月”刑事コロンボ”の事実上2本
目のパイロット版が放送される。
 このパイロット版はまたしても大好評を得、いよい
よ本格的に”刑事コロンボ”がシリーズ化されること
になる。
 ピーター・フォークは、”刑事コロンボ”スタート直前
のこの頃に、2本のテレビドラマに出演している。
 69年、70年と劇場映画のみでテレビ出演が無かっ
たフォークであるが、再びテレビへ舵を切ったかのよ
うに立て続けに2本も出ている。
 1本目は、1月8日放送の”The Name of the Game
  ネーム・オブ・ザ・ゲーム”であった。
 毎週放送の一話90分の連続長時間ドラマで、番
組内容や長時間ドラマといった点などにより”刑事
コロンボ”も放送された”NBCミステリー・ムービー枠”
の前駆的な番組とされている。
 この番組は少々変則的な特徴を持っていた。
 主人公が3人いるのだが、この3人が週替わりで
主役を担当するのである。
 その3人とは出版帝国・ハワード出版のCEOのグレ
ン・ハワード、元FBI捜査官でハワード出版発行の犯
罪雑誌”クライム・マガジン”の編集長・ダン・ファレル、
同出版所属の事件記者のジェフ・ディロンである。
 ハワードが出演する回は、大出版社の社長の豪勢
なライフスタイルを軸に彼を取り巻く政治的な対立を
描き、犯罪雑誌の編集長・ファレルの回は組織犯罪
や冤罪について取り上げた。
 記者のディロンの回は、芸能や風俗絡みの事件を
追究したものであった。
 毎週主役が交代し、ドラマのテーマや視点等を変え
という趣向である。
 そして、これら3人が、同じ回に登場することは一度
なかった。
 だが、番組としての統一性をもたせるために、時折、
CEOのハワードが部下である他の主人公の回に何
度か登場している。
 また、ペギー・マックスウェルという女性編集スタッ
フや数人の記者もセミレギュラーとして出演し、番組
の関連性を持たせている。
 グレン・ハワード役には”殺人処方箋”で犯人の医
師役を演じた当時人気大人気のジーン・バリー、編集
長ダン・ファレルには”アンタッチャブル”でエリオット・
ネス役を好演したロバート・スタック、事件記者ジェフ・
ディロン役にはアカデミー賞にノミネート歴のあるトニ
ー・フランシオサがついた。
 しかし、フランシオサはシリーズ途中で番組を降板
してしまった。
 その抜けた穴は、代役を充当せず、何人もの俳優が
ゲスト主演し埋めることとなった。
 フォークは、その穴埋め要員として、この番組に記者
役で出演したのだった。
 この番組は日本でもフジテレビで放送され、なかな
かの好評を博している。
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 3人一緒に映っているが、番組中にはこういうシーンは無か
った。
 番組オープニング。
 いかにもアメリカ風であり、この時代ならでは
の味がある。
 音楽はデイブ・グルーシンが担当している。
 
 番組オープニングと冒頭のシーン。
 主演者の人名表示の字体、色、画面配置が、ま
さしく”刑事コロンボ”と同じである!
 これは、制作が同じユニバーサル・スタジオという
ことによるものだろう。
 ”刑事コロンボ”は、この手法を踏襲しているという
ことになる。
 
 ~続く~