不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

早朝にお米を買いに行った。その③

 この日のお米の自動販売機専売店では特売日
だった。
 それぞれの商品が2日間に限り特別価格にな
っているのだ。
 この日は、その初日だった。
 この特別価格提供が、初日の早朝からなのか、
それとも日付が切り替わったらすぐに変わるのだ
ろうか。
 そのあたりのことはお店の人に尋ねてみなけれ
ばわからない。
 私は早速購入した。
 価格は特別価格だった。
 商品を手に入れると、すぐにUターンである。
 この時間には、開いている店も無く寄るところも
無い。
 何しろ朝の6時前なのだ。
 私は来た道をそのまま引き返す。
 少しずつだが、散歩中の人とすれ違う。
 クルマは未だ時折走ってくる程度だ。
 二つ目の信号が赤信号だった。
 私は止まって待つ。
 道の向こう側には、60台後半くらいの女性が待
っている。
 その女性は、信号が変わる前に横断歩道を歩き
始めた。
 あれ~、信号無視だ。
 私はその女性の顔を見つめてやった。
 そうすれば、向こうもばつが悪いと思い、少しは
反省するかもと思ったからだ。
 女性は私の視線に気がついたようだ。
 すると、女性はこう言った。
「おはようございます!」
 朗らかな朝の挨拶である。
 うひゃ~!
 コソコソと通り過ぎるかと思いきや、逆に開き直
って挨拶をしてきたのだ。
 自らの図々しさを飲み込んで消化し、相手に投
げ返す。
 これは、なかなかの高等戦術である。
 地上最強の生物の一つ、日本のオバタリアン
らではある。
 こんなこと男性ではとても出来ない。
 おそらく、オバタリアンの面の皮は鋼鉄で出来
ているに違いない。
 私は、呆れてしまった。
 こんな生物に何を言っても駄目だな。
 私は、その生物の行方を確かめることなく、自転
車を発進させた。
 朝の爽やかな時間帯には、いろいろな生物が通
りを歩いているようだ。
 そんなことも確認できた週末の朝だった。