家を出たのは朝の5時30分だった。
当地における日の出の時刻が5時31分なので、
日の出直後ということになる。
私は自転車を走らせる。
通りの常夜灯がまだ点いている。
走っていても誰ともすれ違わない。
この道は私の貸し切りとなっている。
いくつか交差点を過ぎると、向こうからバイクが
走ってきた。
バイクは止まり、後ろの荷台から新聞を取り出し
た。
新聞配達である。
見ると、当地ではちょっと珍しい新聞のようだ。
当地では、いわゆるブロック紙の購読者が圧倒
的に多く、それ以外の新聞を読んでいる方は少な
い。
それから少し行くと、今度は犬を連れた男性とす
れ違う。
犬は元気一杯で、人間を引きずっている。
人間の方は嫌々それに従っているようだ。
まだ朝早いのでちょっと眠いのかもしれない。
それでも毎日散歩をしておられるとしたら、健康
維持にはもってこいである。
県道を左に曲がると、クルマとすれ違う。
ここは町内連合会のエリア内では最もクルマの
多い通りだが、それでもこの時間では数台が通り
過ぎるだけだ。
途中、信号につかまることもなく、自動販売機ま
で着いた。
ほんの数分ではあるが、早く着いて得をした気
分になった。
~続く~