夜、10時過ぎ、バイクの爆音が聞こえてくる。
「ブオォン、ブオォン、ブブブブー」
わざと大きな音を出している。
それも変な節をつけている。
走っているのは一台だけだ。
暴走族か?
「族」と言うからには複数以上だろう。
それとも一台だけでも暴走族と呼ぶのだろうか?
このあたりで単独の暴走バイクは、珍しい。
当地とその周辺は古くから暴走族が蔓延っている
土地である。
この単独の暴走バイクは、昨年末頃から現れた。
当町内連合会とその周辺を何周かしているようだ。
一直線に通過するだけなら、爆音を立てていてもお
目に見よう。
だが、グルグルと町内を周回するのは、どういうつも
りなのか?
嫌がらせか。
鬱憤晴らしか。
もう少しだけ様子を見ることになるだろう。
しかし、暴走行為があまりに長期間に渡るようだと、
当町内でも黙ってはいないだろう。