不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

薄黄緑色の侵入者。

 今朝6時丁度から庭の雑草抜きを始めた。
 この時期、日中には暑くてとても出来ない。
 それで早朝にやるしかない。
 本当は5時から始めようと思っていたが、元々
雑草抜きは嫌々やることなのでスタート時間が遅
れてしまった。
 早朝から、セミは既に合唱状態である。
 7月の初旬には「今年はセミの鳴き初めが遅い」
という声もあったようだが、今ではそんなことを忘
れてしまうほどの大合唱である。
 一通り抜くと、終わりにすることにした。
 おそらく、よその方が見られたら「まだ、何もやっ
てないじゃないか~」と言われるような有り様だと
思う。
 だが、蚊が襲ってきたこともあり、痒くてやってい
られなかったのだ。
 嫌々+蚊=早期終了ということである。
 何にしろ手抜きの言い訳には事欠かないことに
は間違いない。
 庭の隅の水道で手についた泥を落とした。
 すると首の後ろ当たりを何かがかすめる様な気が
した。
 また、蚊か。しつこい奴らめ。
 私はそう思って手で首を払った。
 それから家に入りウルトラ・スーパー・クールビズ
に着替えた。
 その後洗面台で手を洗っていると、再び首の後ろ
がもぞもぞする。
 蚊が、私と一緒に入ってきたのか!図々しい奴ら
だ。
 私は、再び首の後ろを払った。
 あれ?何か感触がある。
 私は手に付いたものを前に落とした。
 4~5㎝ほどの薄黄緑色の物体だ。
 あぁ、葉っぱか。
 そう思って摘み上げようとした。
 だが、よく見ると、それは葉っぱではなかった。
 カマキリだ。
 まだ子供のようだ。
 うひゃ~、カマキリか!
 私はカマキリがあまり好きではない。
 武器を持った腕がまず嫌だ。
 この地球上でカマキリほど武器をはっきりと身につ
けている生き物は他には存在しないと思う。
 その上、凶暴で残忍そうな顔をしている。
 生き物としての温厚さがまるでない。
 あの冷たい目つきも気味が悪い。
 加えて相手に立ち向かってくる好戦的な態度を持
っている。
 攻撃してくるのなら敵と見なす。
 法律以前の当たり前のことである。
 私にとって何一つ好きになれる要素がないのだ。
 私は、何とか落ち着きを取り戻すことに務めた。
 さて、この侵入者をどうしようか?
 私は神を持ってきて摘み上げた。
 素手では掴めないのだ。
 素手で対処できない、という時点で既に負けてい
るのかもしれないが、嫌なものは嫌なのだ。
 意外なことにカマキリは暴れることも無く、お縄に
付いた。
 そして私は、下手人(虫)を素早く庭に放り投げた。
 無駄な殺生はしたくないのだ。
 もう2度と入ってくるではないぞ。
 私はそう思いながら窓を閉めた。