不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

思い切った駐車違反への対抗策。

 違法駐車は、ついやってしまうことなのかもしれ
ないが、社会に迷惑がかかることであり、文字通
り違法行為である。
 特に都市の中心部では、交通の妨げになるため
取り締まりも厳しくなっている。
 常習的な駐車違反者は、それでも停めてしまう。
 だらしがないのか、これくらいはいいだろうと思っ
ているのか、彼らは取り締まりがあることを知って
いながら停める。
 これは日本だけでなく、世界中で起こっているこ
とのようだ。
 旧ソ連の北欧の国リトアニアの首都ヴィリニュス
市でも同様だった。
 市の中心部の目抜き通りに停めてしまうのだ。
 しかも、自転車専用レーンにである。
 欧州ではオランダをはじめとして通りに自転車専
用レーンを設けている都市がいくつもある。
 その部分を自転車に開放しているのだ。
 だが、そこにクルマが違法駐車されては意味が
ない。
 違法駐車のクルマを避けて車道にはみ出して走
る自転車も危険が及ぶ。
 これでは2重に交通に支障が出ることになる。
 そこでヴィリニュス市のトップであるアーチュラス・
ズオカス市長は立ち上がった。
 ズオカス市長は、「言うことを聞かない奴は軍事
力を持って制圧する」として、思いも寄らない行動
に出た。
 何と軍の装甲車を持ち出したのだ。
 装甲車で何をするのか?
 市長自らが装甲車に乗り込み、違法駐車された
クルマを踏み潰しにかかったのである。
 踏み潰し!
 野蛮といわれることも多い総合格闘技でさえ、踏
み潰しは反則である。
 ちなみにリトアニア総合格闘技などの格闘技の
盛んな国でもある。
 市長は禁じ手である踏み潰しを真昼の公道上で
行ったのである。
 潰されたクルマは、ベンツ社のW140でかつての
ベンツ社の最上級モデルである。
 この車種は10年以上に販売は終了しているが、
当時の日本販売価格で1800万円ほどしていた。
 それを潰してしまったのだから、かなり思い切った
行動である。
 それにしても、軍の装甲車の使用許可がそんな
簡単におりるこのなのだろうか?
 欧米では首都の市長は、他の行政の都市の長よ
りも別格の政治力が与えられていることが多い。
 パリ市長やニューヨーク市長は、国務大臣と同等
かそれ以上の権力がある。
 リトアニアの首都であるヴィリニュスの市長の要請
であれば、軍もあっさりと装甲車を貸し出すのかもし
れない。
 この行動は「一種のパフォーマンスではないのか?」
と言う声もある。
 おそらく、万が一のことを考慮し、それなりの下調べ
は済ませてあると思われる。
 クルマの所有者の氏素性は調査してあるだろう。
 仮に市長の有力な後援者関係や対立陣営側の人
間だったら、後々面倒なことになりかねないからである。
 また、クルマの中に人やペットが乗っていないか、も
確認しているだろう。
 もし人やペットが乗っていたのに、潰してしまったとし
たら大事故になってしまう。
 後で所有者がクレームをつけてきた時の対応のために、
専門業者に中古車価格の見積もりを出させていたと思
われる。
 それにしても、軍の装備を使い、ねじ伏せてしまおうと
するとは、これは旧ソ連政府のやり方である。
 確かにリトアニア旧ソ連の一国である。
 市の広報は、市長のメッセージを発表した。
「自動車とカネを持っているからといって、どこにでも駐
車して良いというわけではない、ということを忘れてはな
らない。最近、そういうケースが増えているが、もう1度
言っておく。他人を馬鹿にするような行為は慎むべきだ。」
 何とも血の気の多そうな声明である。
 何だか中南米やアフリカの独裁者が使いそうな言い
回しでもある。
 この市長の行動は、ヴィリニュス市ならびにリトアニア
国民の支持を得られたのだろうか?
 ちょっとやり過ぎだろう、と思われるがこれくらいは、彼
の地では許容範囲なのだろうか?
 ドッキリ番組のようにも見えるが、これは現実に起きた
出来事である。
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