私は大晦日はネットでのクラシック演奏会中継
とラジオを聞いていた。
曲連続演奏会がネット配信されたのだ。
演奏は日本のオーケストラの首席奏者や人気
ソリストが集まった臨時編成のオールスター・オ
ーケスラだった。
指揮は世界的指揮者のロリン・マゼールだった。
演奏会は1時10分頃から始まり、2曲が連続し
て演奏され、その後に30分の休憩をはさみ次の
2曲が演奏されるという構成だった。
演奏、音質、画質ともに素晴らしかったが、残念
なことに音量が小さ過ぎたと思う。
これはパソコンをアンプにつないで増幅したり、
ヘッドフォンで聞けば済むことなのかもしれないが、
私はそこまではしなかった。
そして、同時刻にはNHK-FMで「プレイバック東
京JAZZ2010」が放送されていた。
これは今年の夏に東京国際フォーラムで行われ
た東京JAZZ2010の模様を再構成して放送する
というものだった。
京JAZZ2010を聴くか迷った。
考えた末、交響曲5番までを聴いた後、東京JAZZ
2010を聴くことにした。
東京JAZZ2010は一度本放送で聴いてはいたが、
その内容は素晴らしかった。
私にとって最も印象に残ったのは、寺久保エレナ
のステージだった。
とても18歳の女子高校生とは思えない演奏だった。
番組に出演していたジャズ評論家の児山紀芳氏
がこう語っていた。
「彼女の演奏には誰の影響がある、ということがま
るでわからない」
私も同感である。
寺久保エレナはジャズの王道を歩みながら、独自
の音楽を作り出しているのだ。
このようなことは稀にしか起こらないことである。
異例の寒さの大晦日に熱いふたつのライブを自宅
にいながら堪能することが出来た。
放送とネット配信に感謝である。