不二家憩希のブログ

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ブルックナーの交響曲第7番を聴いた。

 NHK-FMブルックナー作曲・交響曲第7番が
放送されていたので聴いてみた。
 私はブルックナーについては、今まであまり興
味が持てないでいた。
 ブルックナー交響曲が高く評価されていて
それらは一定の人気もある。
 だが、私にはそれらの交響曲は、どうも今ひと
つの出来のものばかりだなぁ、と思えてしまう。
 1曲のなかで同じ旋律を何度も繰り返す。
 しかも、それらは編曲も同じなのである。
 聞いていると「あ~、またやってるよぉ~」とい
気になってくる。
 ブルックナー交響曲は1曲が1時間を越える
ものが殆どだが、そりゃあんなに繰り返しばかり
していたら1時間を越えるよなぁ、と思えてくる。
 あの繰り返しをカットすれば半分くらいの演奏時
間になるのではなかろうか。
 加えて、私にとっては曲自体もそれほど素晴らし
いとも思えない。
 時折耳を捉えるような旋律もあるとは思うのだが、
それもいつもの繰り返しで台無しになってしまう。
 そして編曲もなんだかつまらない。
 全体に薄っぺらく、ティッシュペーパーの束のよう
サウンドになってしまっている。
 何もオーケストラで演奏しなくても、というようなく
どい編曲がブルックナー交響曲の特徴のように
私は感じている。
 さて、この日の番組ではオットー・クレンペラー
揮、フィルハーモニア管弦楽団の盤が放送された。
 クレンペラーといえば20世紀を代表する大指揮
者である。
 だが、私はいつものように聞き流すつもりでいた。
 何しろブルックナー交響曲である。
 大したことはあるまい。
 演奏が進んでいく。
 おや?なんだか良い演奏だな。
 私はそう思い始めた。
 う~ん、これがクレンペラーの力量というものなの
か。
 つまらない曲でも見事に聴かせてしまうのだ。
 私は約1時間、少しも退屈することなく聴き通すこ
とが出来た。
 ブルックナーの曲でははじめてのことである。
 さすが、クレンペラーである。
 私はこの演奏により、ブルックナーを少し見直そう
かな、と思い始めている。