これは昨年末の12月27日のことである。
私は用事があって市内のあるショッピングモ
ールに行った。
そこにあるミスタードーナツの前にテントが張
ってあった。
テントの前には幟が3本立てられている。
テントからは売り声が聞こえてきた。
「福袋いかがですかぁ~」
福袋?
今頃?
私は近づいて幟を見てみる。
幟には”ミスド福袋”とある。
12月27日に、もう福袋を売っているのか!
福袋とは本来年明けの新春初売りの際の目
玉商品の筈である。
それが日本における長年の商慣習だった。
後でネットで調べてみると、この福袋の販売は
12月26日から販売開始のようだ。
クリスマス商戦が終わったら、すぐに次の売り
出しに、ということなのだろう。
早ければ良い、というものでもないと思う。
その後に行った酒類と輸入食品の全国チェーン
店のやまやでも福袋が売られていた。
やまやといえばイオングループ傘下で全国に出
店している大手である。
ミスタードーナツも誰でも知っている有名店である。
大手だから良識がある、とは言わないが社員が
沢山いれば「これはちょっとまずいだろう」という声
が出ておかしなことはしないものだ、と思いたいと
ころだがそうでもないようだ。
トップダウンで決まったことなのか、彼ら自身が烏
合の衆で知恵がないのか。
年末に福袋を売ってはいけない、という法律があ
るわけではない。
彼ら売り手にしてみればやったもの勝ち、早いも
の勝ちなのだ、ということなのかもしれない。
だが、私たちの長年保持してきた風物詩を破壊
するような行為は慎んで頂きたいと思う。
何でもかんでもビジネスチャンスに結びつければ
良い、というものではない。
それは時に極めて愚かに見えるものであることを
彼らは知るべきだと思う。
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