この自販機専業のお米屋さんは、通り沿いに
自販機が並んでいるよくありがちの店ではない。
店として普通の大きさの店舗が構えられるほ
どの広さの敷地がある。
そこの大半をクルマなどの駐車スペースにし
てある。
普通乗用車が5~6台は止められる広さはある。
そしてその奥の端に自販機が並べられている。
こうした配置によりクルマを止めてゆっくりと買
い物が出来る。
通りを走る他のクルマの通りを気にしなくともよ
い。
ドライブスルーのようなことも可能である。
立地としても悪くはなく、近くにはスーパーやコ
ンビニ、コインランドリーの店もある。
このお米屋さんでは普通の店舗が構えられる土
地を確保していながら、そこに普通の店は建てず
自販機専門にしてしまっているのだ。
この経営判断も、やはり合理的だと思う。
今回の周年セールでは、その駐車スペースの
隅にテントを張りその下に2脚の折り畳み机を並
べている。
机の上には今回のくじ引きの景品らしきものが
並べられている。
その机を前にして店の人らしき人が座っている。
ちょっとお米屋さんには見えない。
電気技術者のような感じの人だ。
「はい、いらっしゃいませ」
私はその人から声をかけられた。
~続く~