不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

お米屋さんの周年セールに行った。その⑦

 私はその店の人に持ってきたダイレクトメー
ルの封筒を渡した。
 それは文字通りの封筒だけであって、中身
は空である。
 今回のセールでは、この封筒がユーザー登
録された顧客であることを証明する。
 このお米屋さんでは、ユーザー登録を募って
はいても、特にカードや会員証といったものは
発行していない。
 店は、お客が持参した封筒を店に持ち帰り、
それにより今回のユーザー顧客の来店をチェッ
クをするのであろう。
 封筒なので名前も住所も書かれているので、
チェック機能としては十分である。
 これまたなんともアナログではあるが、合理
的で確実な手法と言えよう。
 それから私は、自販機でお米を買った。
 くじを引くように自販機が要求してきた。
 今回はあらかじめ確実に当たることがわかっ
てはいる。
 だが、くじはくじなのでちょっと楽しい。
 今回は三等だった。
 三等は100円である。
 100円がお釣りの返却口に戻ってきた。
 次に私は特設テントに行った。
 そこで今回のセールの特典であるトイレットペ
ーパーとポイント券を受け取った。
 そして店の人は、透明アクリル製の箱を指さ
してこう言った。
「では、一回引いてください」
 見ると箱の中には朱色の三角くじが入っている。
 こうした三角くじは、どこのものでも朱色である。
 私は引いたくじを店の人に渡した。
「当たりました!こちらになります」
 私が引き当てたのは、携帯用ステンレス・ポッ
トだった。
 
 私は、景品を受け取るとそのまま家に向かった。
 今考えると、店の人と何か話でもしてくれば良か
った、と思う。
 何しろ相手は自販機専業の店としては幻の人で
ある。
 私はその幻の人が精米したであろうお米を毎日
食べている。
 次に会えるのは、来年になるのだろうか。