そのお米屋さんは自販機専業に切り替えたと
はいえ、固定客を必要としないわけではない。
自販機なので店側との会話はない。
その点を補うためか、このお米屋さんではダイ
レクトメールを送ってくる。
お米屋さんのダイレクトメールである。
ちょっと珍しいのではないだろうか。
売り出しの前になると、封筒に入ったダイレクト
メールが送られてくる。
中には一色刷りの小さな案内のチラシが2枚入
っている。
そこには今回の売り出しの日時と内容、そして
次回の売り出しの予定日が載っている。
これくらいなら、封筒にしなくともハガキで十分だ
ろう、と思うのだが、封筒入りのダイレクトメールに
こだわっているようだ。
えぇ~、どうしてお客の住所や名前がわかるのか
?と思われるかもしれない。
実はこの自販機でお米を購入すると、お米は大き
めの専用レジ袋に入って出てくる。
そのレジ袋の中に、領収書とポイント券、そして
顧客登録の案内の紙が入っているのである。
お客はそれを見て、顧客登録をしても良いなと思え
ば必要事項を記入し自販機横に備え付けられてい
る連絡ポストに投函するのである。
そして、毎日自販機の商品入れ替えと売上金回収
にやって来るお米屋さんが、その書類を回収するの
である。
あぁ~、なんとアナログなシステムであろうか。
だが、これなら郵便料金もかからない。
経費節減になる。
私は売り出しのダイレクトメールが送られてくるという
ので、すぐに顧客名簿への登録希望を出したのだった。
その売り出しには2種類あって、一般客も買える売り
出しと登録顧客向けの売り出しがある。
へぇ~自販機専業でそんなことをしているか、と思わ
れるかもしれないが、自販機専業なのでかえってそう
いう企画を考えているのだと推測される。
お客は気まぐれだし、ライバル店はたくさんある。
何か工夫をしないと、売上は確保できないのだろうう。
今回私が行ったのは、登録顧客向けの売り出しであ
る。
~続く~