この自販機専業のお米屋さんの工夫は他にも
ある。
自動販売機でお米を買うと、その場でくじが引
けるのだ。
代金を投入し商品ボタンを押す。
その際、つり銭がある場合は返却口に出てくる。
次に女性の声で「抽選ボタンを押して下さい」と
アナウンスがある。
私がお釣りを財布に入れようともたもたしている
と、待ちかねたように「抽選ボタンを押して下さい」
と再び言ってくる。
それでもなおも私が抽選ボタンを押さないでると
「抽選ボタンを押してください」と催促してくる。
このお米の自販機は、どうしてもくじを引いてもら
いたいようである。
抽選ボタンを押す。
すると「ピ、ピ、ピ、ピ~♪」とちょっと昔懐かしい
ような電子音が鳴る。
この音は抽選中ということらしい。
そしてくじの当落を告知するアナウンスがある。
「○等が当たりました」
さて、このくじの賞品は何かというと、それはやは
りこのお米屋さんらしい。
一等・300円、二等・200円、三等・100円となっ
ていて、以上の金額分がその場でキャッシュバック
されるのである。
「チャリン」と音がして、お釣りの返却口に当たった金
額がもどってくるのである。
なんとも直球勝負である。
粗品とか、引換券とかではないのだ。
金額は大したことはないかもしれないが、それでも
商品を購入して、その場で代金の一部が戻ってくる
のだ。
これはインパクトが大きい。
それもどうやら、当選確率はかなり高めに設定され
ているようだ。
私もすでに2等の当選の経験があるのだ。
一度このくじに当たってしまうと「また当たるかも?」
と思ってしまう。
このお米屋さんは、固定客、リピーターを確保するた
めにこうした方法も取っている。
ここのお米屋さんは、消費者の心理をよく研究してい
ると思う。
~続く~