不二家憩希のブログ

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NHK「探検ロマン世界遺産・リバプール」を観た。その①

 NHKの「探検ロマン世界遺産」を観た。
 今回は英国のリバプールだった。
 私のような、かつてはロック馬鹿だった者
にしてみるとリバプールと言えば条件反射的
ビートルズが思い浮かぶ。
 私は、番組を見る前に「きっとビートルズ
を大きく取り上げた番組なんだろうな」と思
っていた。レコード・デビュー前のビートル
ズにゆかりの地を巡る旅、といったごくあり
がちな構成になのだろうと思っていた。
 だが、私の予想は大きく外れた。
 思っていたよりも遥かに硬派なつくりだっ
たのだ。
 かつて、リバプール奴隷貿易で栄えたの
だそうだ。
 18世紀に始まったアフリカ大陸、西インド
諸島との三角交易の拠点の港として急速に発
展したのだが、その貿易に最も重要な「品物」
だったのが奴隷だったのだ。
 奴隷貿易そのものが既に人道上間違ってい
るのだが、そのやり口がおぞましいほど酷い。
 まず、アフリカ諸国に銃などのヨーロッパ
の武器を売る。舶来の武器を手にすると戦争
をしたくなるのはかつての日本にもあったこ
とで万国共通である。それで、部族闘争など
の内戦を起こさせる。すると、当然のように
難民が発生する。
 その難民を奴隷として「買取り」、その奴
隷を現在のキューバなどの西インド諸島の国
の農園に売るのだ。
 今はどうか知らないが英国人は、かなり汚
いことをしてきたのだ。
 このシステムとして確立された奴隷貿易
18世紀末に最盛期を迎え、その頃のリバプー
ルの奴隷取扱量は全ヨーロッパの40%を占め
ていたそうである。
 ちなみに、奴隷一人の値段は、当時の英国
人の年収分くらいだったそうである。
 難民になって困っているアフリカ人を船に
乗せ、その後器具を使った拷問などにより一
種の洗脳を施し奴隷として仕立て上げ農園主
に売っていたのである。
 私は、リバプールにそんな暗黒の歴史があ
るとは、知らなかった。
 欧米人はアフリカ大陸のことを長いこと暗
黒大陸と呼んでいたが、暗黒なのは欧米人の
方である。
 こういう話は、英国人自身も進んでは語り
たくはない話題であり、今流行の面白旅番組
では決して取り上げられることはなかったと
思われる。
 NHKも民放に迎合した娯楽番組ばかりを作る
のではなく、こうした実のある番組をもっと
作ってほしいものである。

 ~続く~