不二家憩希のブログ

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NHK「探検ロマン世界遺産・リバプール」を観た。その②

 今回のNHKの「探検ロマン世界遺産」はリ
バプールを取り上げた。
 リバプールと言えばビートルズ!、それじ
ゃ観なくちゃ、というお気楽ロックファンの
思惑は大きく外れることになった。
 番組ではリバプールのかつての奴隷貿易
港町として繁栄した歴史を紹介した。
 しかも、現地の案内人がその奴隷の子孫の
黒人男性だった。
 リバプールにはアフリカからリバプール
経由して西インド諸島に売り飛ばされた奴隷
の子孫が移住してきているそうだ。
 そのため、リバプールには黒人が意外に多
く住んでいる。
 元々白人の町に黒人が住むとなるといろい
ろと軋轢が生まれてしまう。
 番組では、リバプールに住む黒人を一室に
集め、彼らがリバプール社会に対する苦情を
訴える模様も伝えていた。
 私はそんなこと極東の国の私達に見せてど
うなる、と思った。
 私達にそんな難しい問題をテレビで知らさ
れてもどうにもならない。
 NHKは基本的にお坊ちゃんメディアで、各
方面から守られている中で動いているので、
時に暴走してしまうのだ。

 案内人の黒人男性は、ビートルズの歌でお
馴染みのペニー・レーンも紹介した。
 ペニー・レーンはリバプールを通る道の名
前である。
 曲は、ポール・マッカートニーが生まれ育
ったリバプールを懐かしく思い出して歌って
いるノスタルジー溢れるビートルズ屈指の名
曲である。
 このペニー・レーンは奴隷貿易で巨万の富
を築いたペニー氏にちなんでいるそうだ。
 通りの行政上の正式な名称に人名が使われ
ることは滅多に無い。莫大な額を市に寄付し
たとか、あるいは通り一帯がペニー氏の所有
の地所だったとかでなければ、民間人の名前
が地名になることはないだろう。
 ペニー氏はどれほど奴隷で儲けたのだろう
か。
 ペニー・レーンと奴隷貿易がつながってい
たのか。
 甘く楽しい歌が灰色の闇に包まれていく気
がする。
 知らなければ良かった。

 この番組ではリバプール奴隷貿易の港と
しての歴史の他にももうひとつ、少々重い内
容を取り上げた。

 ~続く~