不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

金スマのジョン・レノン特番を観て。

 先日、テレビの「金曜日のスマたちへ」に
オノ・ヨーコが出ていた。
 金スマのような番組に、しかも2時間特番
オノ・ヨーコが出ることは、極めて珍しい。
 私はかつては、熱心なビートルズファンだ
った。
 だが、オノ・ヨーコはあまり好きではない。
 この女は、悪人ではないが多くの日本人が
思っているほど善良な人間ではないからだ。
 今更オノ・ヨーコがテレビに出て、何か新
しい情報の提示があるのだろか?
 わざわざ、2時間番組にするのだから、ひ
ょっとすると、今まで知られていなかったエ
ピソードが明かされるのだろうか?
 番組は、大体予想通りの展開で進んでいっ
た。
 その内容はどれもこれも、何度も各種メデ
ィアで取り上げられてきたようなものばかり
であった。
 ただ、今回の番組では、ジョン・レノン
聖人化しようとする意図がはっきりと見て取
れた。
 ジョン・レノンは優しかった、とことさら
強調していた。
 これは、近年オノ・ヨーコがメディアに積
極的に働きかけていることである。
 多くのメディアはソースとしてジョン・レ
ノンを確保しておきたいので、オノ・ヨーコ
の言うがままになってしまっている。
 実際のジョン・レノンは悪人ではなかった
が特別善い人でもなかった。
 こんなことは、リアルタイムで彼を知って
いる者なら、誰でも知っていることである。
 彼は、巨大な才能の持ち主であったが、そ
の才能と同じくらい巨大なエゴの持ち主だっ
た。
 彼はしたいがままに生きてきただけの人間
なのだ。
 これは、同じく元ビートルズのジョージ・
ハリソンの自叙伝にジョン・レノンについて
の記述が殆どなく、加えてジョン・レノン
対してジョージが好意的に書いていない点を
見ればわかることである。
 そして、その辛辣な内容についてジョンを
除く他の元ビートルズも否定はしていなかっ
た。
 ジョンが生きていた頃は、そんな空気だっ
たのだ。
 ジョンは善い人だった、と人々が称え始め
たのは、彼の死後3年程経ってからのことで
ある。

 今回の金スマでは、事実と異なることも放
送されていた。
 ジョンが75年に活動を停止し、5年間い
わゆる主夫をしていた、というエピソードに
ついてである。
 番組では、この主夫としての暮らしが70
年代当時の社会に好意的に受け止められた、
と紹介されていた。
 これは明らかに間違いである。
 間違いと言うよりも、意図的に事実を修整
している疑いがある。
 75年からの数年間、ジョンのファンはジ
ョンが今何をやっているのか何も知らなかっ
た。
「アルバム出さないなぁ~」と気にはしてい
たが、何の情報も無い状態だったのだ。
 ファンが知らないのだから、一般の人は尚
更何も知らない状態だった。
 度々来日していて彼らが軽井沢で目撃され
た、という話は非公式に伝わってはいたが、
それ以上のことは何も知らなかったのだ。
 その間、主夫をしていた、ということはジ
ョンが80年に「ダブル・ファンタジー」で
音楽シーンに復帰し、そのプロモーションの
中のインタビューで初めて知ったのである。
「へぇ~、ジョン・レノンが主夫をやってた
のかぁ」と当時のファンは驚いたのである。
 
 私は最後まで番組を観たが、これと言って
新しい情報はなかった。