不二家憩希のブログ

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社長になった係長 第5話

 マキコの父は、戦後断絶していた中国との
ビジネスを再開させた人物として一世を風靡
した。
 その絶大な影響力は現在でも中国に残って
おり、中国側は今でもマキコをVIP扱いを
しているのだ。
 マキコはお嬢様育ちのわがままな人間なの
だが、他国でも国内同様にもてはやされると
なると、そのわがままは確信となって彼女の
中に固定されてしまった。
 マキコは、その後フリーとなって現在も働
いているが、その奔放な発言は今でも時折業
界紙を賑わしている。
 そんなマキコを諌める人間は周囲にはいな
かった。
 御曹司やご令嬢にわざわざ意見してもつま
らない、と口をつぐんでしまうのだ。
 御曹司達の周囲には、利益を吸い取ろうと
する取り巻きばかりが集まってしまう。
 それにより彼らのなかには人間不信に陥っ
てしまう者も少なくない。
 ヤスオのように冷笑的になってしまう者も
いる。
 御曹司達は、世間で思われているようにお
っとりしたお人好し達ではいられないのだ。
 それは、そうした環境に生まれた彼らの宿
命でもあるが、それを乗り越えていくことも、
また彼等に課せられている問題なのである。
  
 ~続く~