不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

体を鍛えていれば精神も鍛えられるのだろうか?(北京オリンピック編)

 吉田選手が女子レスリングで優勝した。
 表彰式の国旗掲揚の時、吉田選手は涙を流
していた。
 表彰式後のインタビューで、吉田選手は今
年一月に得意のタックルを無名の外国人選手
に返され負けた際のショックについて語って
いた。
 私はとっくに立ち直っていたと思っていた
のだが、そうでもなかったようである。
 あの敗戦のショックは余人の想像を超えた
ものだったそうだ。
 国際試合でたった一敗しただけなのに、彼
女にとっては、それほどまでに衝撃的なもの
だったらしい。
 一敗だけで、そんなに落ち込んでしまうも
のなのか。
 あまりに脆弱ではなかろうか。
 勝ち続けていけば、精神も強く保たれると
いうことは、やはり無いのだろう。
 吉田選手は、それまで連勝を重ねてきたの
で堂々としていた。だが、それが一瞬にして
崩れ落ちた時、彼女の内面の弱さが入れ替わ
るように表面に現れてきたのだった。
 人間とは、そういうものなのである。
 吉田選手と言えども例外ではない。
 
 私は、このブログで度々記していることの
一つに「体を鍛えていれば精神も同時に鍛え
られる」ということはない」ということがあ
る。
 この意見については、少なからず違和感を
持たれる方もおられるかもしれないが、これ
は私の主要な洞察の一つなのでちょっと譲る
わけにはいかない。
 体を日々鍛えていけば、規則正しい生活習
慣や礼儀正しさを身に付くかもしれない。
 だが、それが肉体鍛錬の限界でもある。
 精神を鍛えるのは、それほど容易なことで
はないのである。

 吉田選手は、一度は落ち込んだものの、見
事に再起を果たし、このオリンピックで圧倒
的な差をつけて優勝をした。
 この時、彼女はどうやって立ち直ったので
あろうか?
 体を鍛えるだけでは、人の内面は変らない
ことを彼女は知ったのだろうか?