ドクダミを抜いて後悔する。

　我が家では庭はもちろん、その周辺にも雑
草が生えている。
　庭の雑草はただでさえ狭い庭をこれ以上狭
くしないためにも、できるだけ抜くようにしてい
る。
　もっとも、この暑さの中では雑草抜きも手
抜きになりつつある。
　　
　家の側面部にも雑草は繁殖しているのだが、
その中にドクダミが花を咲かせていた。
　私は、相手がドクダミだけに抜くのを躊躇
していた。
　ドクダミは薬草だ。
　薬草を抜くのは、少々忍びない。
　だが、あまりに生えていると、これが目障
りになってくる。
　抜かれないなら、どんどん生えちゃうもん
ねぇ～、と言わんばかりの伸び方なのである。
　私は迷ったのだが、側面に生えているドク
ダミは抜くことにした。

　ドクダミを抜いて数日すると、新聞等で、
何故かドクダミの効用を特集した記事を見か
けるようになった。
　ドクダミは私が考えている以上に有益な植
物のようだ。
　無くなってみると、その存在が余計に貴重
なもののように思えてくる。
　何か重大なものを喪失したかのような気に
なる。
　それでは、ドクダミが生えていれば、それ
でドクダミ茶を作るかと言うと、そんなマメ
さは私には無い。

　それでは、家の周りがドクダミだらけにな
ってもよいのか、というとそうでもない。
　実に勝手なものなのである。

　私は雑草とは何か？ということに自分で納
得できる答えを未だ見出せていない。