不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

年賀状に郵便局備え付けのスタンプを押す。

 郵便局で買った年賀状に、郵便局備え付けのス
タンプを押すことにした。
 毎年この時期になると、郵便局では年賀状の発
売に合わせて自由に押せる年賀状用のスタンプが
用意してある。
 私は以前からこの備え付けのスタンプを使って
みたいと考えてはいたのだが、どういうわけか今
年まで使うことはなかった。
 最近ではパソコンなどを使い、オリジナルな年
賀状を自分で作成する人も多いと思うが、私はそ
の点アナログ組である。
 ハガキ・書状は原則手書きである。
 以前ワープロ専用機を手に入れた頃は調子に乗
って印字されたものばかりを送っていたのだが、
印字された文面を送ると言うのは何だか上からも
のを言っているような気がしだして止めたのだ。
 郵便局備え付けの年賀スタンプは、局のカウン
ターの前の机の上に置いたある。この机には椅子
も付いていて、ここで書き物も出来るようになっ
ている。
 机には、スタンプの絵柄が斜めにいくつも押さ
れた振替用紙が載っていた。退屈した小さな子供
の仕業だろう。
 それらの乱雑な試し押しは、本来赤いスタンプ
台を使うようになっているのに黒のスタンプ台で
押してある。
 そのため、絵柄が赤黒くなってしまっている。
 さすがに子供は見境がない。
 私は、机に備え付けのティッシュペーパーでス
タンプを拭いた。こういうインクは意外にあっさ
りしていて、赤と黒が混じったインクは拭くとす
ぐに取れた。
 私は改めて6つあるスタンプを手にとった。
 どれも、シンプルなものばかりである。
 どれにしようかな?と少し迷っていると、女性
局員がやって来てこう言った。
「今年の新しいのが入りましたので」と言うと、
新たにふたつのスタンプを置いていった。
 こうなると、私は新品を使いたくなる。
 そのスタンプは、ネズミの絵に賀正とある。
 簡潔この上もない。
 これに決めた。
 私は、そのスタンプを買った年賀状の9割に押
した。
 スタンプを次々に押していくと、何だか偉くな
った様な気がしてくる。
 そして残りの一割には、違うスタンプにしてみ
た。スタンプのデザインを確かめてみたかったの
だ。

 スタンプを押した年賀状を持って郵便局を出た。
 私が、年明け前に年賀状の準備をするのは小学
生の時以来である。
 あとは、一枚一枚にあて先と受取人毎に異なる
コメントを付け加えるだけである。

 私は、その後郵便局を出た。
 外は小春日和だった。