不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

年賀状を出した。

 郵便局に行った。
 年賀状を投函するためである。
 25日が元日に確実に配達される一応の期限とされて
いる。
 私が送る年賀状は、距離が近い所が大半である。
 市内、県内、県外もあるが隣県ばかりである。
 もっと日が迫ってから差し出しても、十分間に合う
であろう。
 それでも、郵便局が「25日までに出してください」
と広告しているのであれば、それに応えることにしよう。
 などと記してはいるが、今まで25日までに遅れずに
出したことなど、ほとんどない。
 毎年、年賀状書きをずるずると先延ばしにしてきた。
 年内に出せば良い方で、年明けになってからようや
く書き始めるという年が何年も続いた。
 それを思うと、ずいぶんな進歩である。
  そうは言っても、とっくに書き上げている年賀状を
今頃持っていくのだから、習性はあまり変わっていな
いのかもしれない。
 郵便局に入る。
 カウンターの左前に低いテーブルが置かれ、その上
段ボール箱が載っている。
 差し入れ口の切り込みがロボットの口のように四角
く開いている。
 毎年この手作り年賀状ポストに、入れるのである。
 その反対側にある机には、年賀状用のスタンプが用
意されている。
 ご自由にお使いください、という形である。
 私は、そこに座り自分の年賀状にスタンプを押すこ
とにした。
 来年の干支のさるのスタンプが二つある。
 私は少しおどけた感じのデザインの方のスタンプを
選んだ。
 そして、次々に押していく。
 これは、一種の自動化された作業である。
 気持ちは籠もっていない。
 まぁ、それは仕方ないか。
 万事に気持ちを込めるのは理想ではあるが、その実
現は難しい。
 朱色のさるが、年賀状の隅で笑っている。
 私の年賀状は、少しは華やかになった。
 これで、少しはお正月らしくなったであろうか。
 私は年賀状を、段ボール箱のロボットの口に差し入
れた。
 郵便局を出ると、外は強風だった。
 私は、自転車に乗り、次の用事先へ走り出した。
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