不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

百歳を超える家族がいるということ

 いつものスーパーで買い物をしていると、50代位
の女性がふたりで話をしている。
 松任谷由実は、夜のカフェで曲のネタを取材してい
るそうだが、私は昼間のスーパーでネタを見つけてい
る。さすがにエライ違いである。

「そうなのよ、結構大変」
「でも百歳で生きている人なんて少ないから」
 小柄な方の女性には、百歳を超える家族がいるよう
である。
 百歳までの長寿者も、昔はとても珍しかったものだ
が、最近ではそれほどでもないようで、全国には3万
人以上おられるらしい。
 ちなみに、私の親族にはかなり遠いところまでたど
っていっても、百歳まで生きた人はいないし、今もい
ない。
 知人のそのまた知人にもいない。
 一億人を超える日本人の中での3万人であるから、
割合から言うと少ないので、当然かもしれない。
 3万人だと0.03%である。
 身近にいなくても不思議ではない。

 百歳の方がおられる女性は、世話が大変と少し愚痴
ってはいるのだが、その表情は嬉しそうでもある。
 百歳の家族がいるというのは、どんなものなのだろ
うか?
 普通の年寄りだと、忘れられた存在になりかねない
のだが、これが百歳を超えると途端に脚光を浴びてし
まう。
 親戚からはもちろん、近所の人や近隣の社会からも
注目されることになる。
 あの双子でおなじみだったきんさん、ぎんさんです
ら、スターになったのは百歳になってからである。
 きんさんは、90歳くらいまでは近所の人にすら、
その存在を知られていなかったそうである。

 寿命が3桁になると、本人よりも世話をしている家
族にプレッシャーがかかるようである。

 話をしている二人は、笑いながら話を続けていたの
で、深刻な問題はないのだろう。

 私は、目当ての品をかごに入れて、その場を離れた。