不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

日本社会とお盆休み

 夏の雲が青空に大きく浮かんでいる。
 お盆休みのためか、幹線国道を走るクルマも普段の5分
の1程だ。スピードも少しゆっくりしているようにも見え
る。
 また、この時期は助手席や後部座席にも人が乗っている。
 平日は運転手一人だけのクルマが殆どである。
 あれでは、人を運んでいるのか、座席を運んでいるのか
分からないのでは、と思ったりもする。いっそ一人乗りに
して、その分車体を軽くして、燃費を良くしたら、思った
りもする程である。
 そんな私の考えが、いかに下らないかを教えてくれるか
のように、このお盆休みにも楽しそうな家族連れと思しき
クルマが沢山走っている。

 昔は、何で皆一斉に休みにするのだろうか?とも思った
が、このほぼ一斉休みの慣例も、私などが思う以上に意味
があることなのだろう。
 これが、業種ごとに休みのシーズンが違っていたら、ど
うなっていただろうか?
 いやー、あの会社は今連休に入っているもんだから、納
品は2週間後ですね、少し待ってください、とかいう事態
が頻発してしまうだろう。
 納品待ちで業務が滞るとううことばかりでは、経済も停
滞してしまうだろう。
 このお盆休みというのも、法律で定められているのでは
ないのだが、日本においては完全に定着している。
 お盆休みの起源は、恐ろしく古いものだと思われるのだ
が、日本が経済大国になった今でも、この慣習が続いてい
るというのは面白いことだと思う。
 企業社会は何かと古いものを切って捨てたがるものでは
あるが、その中でも生き続けていくだけの生命力がお盆休
みにはあるのだろう。
 この時期、動いているのは、書き入れ時のサービス業と
流通業、それと金融業くらいのものか。
 信用金庫の職員が暑い中、ホンダのカブに乗って走って
いるのを見かけると、あー町も動いてはいるんだ、と思い
出せてくれるが、それを除けば町は、特に住宅街はお休み
モードである。
 
 だが、役所には勿論、お盆休みなどは無い。
 彼らが年中不満顔に見えるのは、皆と一緒に休ませても
らえないからなのではなかろうか?
 人の不満は本人が気が付かないうちに内面に蓄積し、い
ずれ表面にも現れてくるものである。
 持続的な不満は、時に人を動かす原動力にもなるのだが、
役人の場合、人から命じられて動くことばかりなので、そ
の不満がプラスに働くことは、残念ながらまず無いのであ
る。