いつもの集いに行った。
この集いの高齢者には認知症が多い。
認知症の種類や程度は様々である。
私は彼らを観察している。
その中で導き出したことがある。
「認知症になる人は、過去に生きる人たちである」
彼らは、日常的に過去の思い出に浸っている。
それが楽しいのか快感なのか、彼らの脳の中は自分の過去の経験が繰り返されている。
この行為により、魂の力が著しく弱まり、脳が破壊されていく。
そして、認知症となる。
「回想療法というものがあるぞ」という声が、あるかもしれない。
だが、それは逆効果である。
過去は幻想である。
幻想に塗れて時間を過ごすことは、自分が本来持っている力を奪っていく。
こうして奪われた力は二度と戻ってこない。
そして退化が始まってしまう。
このことに現代医学が気がつくまでに、どのくらいの時間がかかるのだろうか?