私が敗北感を感じる時、それは鼻毛を切っている時である。
主要呼吸器である鼻の最前線に立ち、侵入を試みる外敵から人体を守る頼もしい存在、それが鼻毛である。
ホコリだけではない、ウィルス等もここでブロックされる。
感染防止に大きな力となっている。
だが、その鼻毛が鼻の穴から少しでも外に出ると、「わぁ、鼻毛が伸びてる」とか言われる。
言われなくとも思われてしまう。
そうした声に屈し、私も鼻毛を切ることになる。
あぁ、なんと悔しいことだ。
他人がどう思うか、を優先してしまうのだ。
なんと弱いのだろうか?
他者の思惑に恐怖心を抱いているということである。
他人の目が気になるなんて、弱さの表れでしか無い。
私は本心では鼻毛を切りたくはない。
しかし、己の弱さに依り、切ってしまう。
あぁまだまだ修行が足りないなぁ。