私は音楽を聞いていて恐れていることがある。
それは聞いている音楽に飽きが来ることである。
ただ漫然とBGM風に聞き流している音楽については、飽きても構わない。
最初からその場その時に消費する音楽として割り切っているからである。
だが、好きなミュージシャン、作曲家の作品の場合はそういかない。
かつてはインパクトを感じていた曲を聞いても、特に何も思わなくなって
いたりする。
新鮮さがまるで無くなっている。
曲の次の展開等を熟知してしまっており、スリルを感じられなくなってい
る。
曲に対する発見も、もはや無い。
飽きとは、こういうものなのか。
恐ろしい。
音楽を聞く楽しみが徐々に減っていくのが、はっきりとわかってしまう。
そのため私は好きなミュージシャン、作曲家の作品であっても時々にしか
聞かないようにしている。
細かく分析をせず記憶もしないようにしている。
覚えれば覚えるほど次回に聞いた時に、曲が褪せて感じられるからだ。
あぁ、悩ましい。
音楽の楽しみも工夫が必要なようである。