台風19号について私は事前には風台風だと考えていた。
予報を見ると「瞬間最大風速60㍍」とあった。
これは怖ろしい数値である。
当地はおそらく未だ60㍍は経験していない。
昨年の台風では強烈な暴風が吹いたのだが、58㍍の時点で停電に
なってしまったのだ。
ひょっとしたらあの後60㍍に達していていたかもしれない。
だが、いずれにせよこれは強烈な風であることは間違いない。
今回60㍍が予報され、また何かが飛ばされ、飛んでくるのか、と
思っていた。
だが、19号台風は雨台風だった。
関東甲信越、東北地方に甚大な被害をもたらした。
私は長年、雨台風より風台風の方が怖ろしいと考えてきた。
当地は年中大風が吹いていて、日本で最も風が強い地域である。
大風に慣れてはいても、やはり風は怖いのだ。
しかし、大雨による台風被害は風台風を上回ることを知らされた。
暴風の場合、家屋その他がふっ飛ばされる可能性はある。
だが、被害はそこまでである。
大雨の場合、被害はより大きい。
河川が氾濫し土地はえぐられる。
住宅地も浸水する。
流れてきた水により家屋が損傷し、地盤も崩れてしまう。
田畑も水に浸かってしまう。
今回は新幹線も浸水してしまった。
工場の設備も水を被り使えなくなってしまった。
雨台風は、これほど自然と人々の暮らしを破壊してしまうのか。
薄い脳味噌の私には、そこまで推測できなかったのだ。
毎日伝えられるニュースに暗然だる思いである。