古い細胞は排泄され、新しい細胞が成り代わる。
一年後には、ほぼ全身の細胞が入れ替わるとされて
いる。
となると、現在の肉体は昨年の肉体とは違うということ
になる。
違う肉体であっても、”自分”は”自分”として認識してい
る。
同じ”自分”だと思っている。
誰が、そう認識しているのか?
”自分”である。
”自分”がそう思っている。
違っているのに同じ”自分”だと思い込んでいる。
”自分”は決して変わることがない存在だと思っている。
固定し安定した存在だと思っている。
そう思っているのは、ただ”自分”だけである。
”自分”は、変わらない(と思い込んでいる)自分に安心
を見出す。
”自分”は、今日もこうして存在している。
明日もきっと存在しているだろうと思っている。
これが続いていくであろうと思っている。
だが、そうはならない。
そもそも肉体は入れ替わっている。
肉体はただの流動体である。
そこに不変性は無い。
ただ思い込んでいる”自分”がいるだけである。