会場全体に及ぶものではない。
それだけに、気楽な感じで話が進む。
昨年の会長だったKさんが「最近は写経をやってる」と話
題を変えた。
「写経って、書くんでしょ?」Nさんが訪ねた。
そりゃ写経は書くものだよ、と私は内心でツッコミを入れ
た。
Nさんのお宅の宗派では、写経はあまりやらないようで馴
染みがないのだろう。
「いいぞ、写経は。心がスッキリする」
Kさんはニコニコ顔である。
皆さんは神妙に聞いている。
神妙と言うより良く感覚がつかめないのかもしれない。
写経の効用はよく語られるうことではあるが、興味がない
人にはピンとこないのであろう。
写経の話題が一段落着くと、また健康面での話題となる。
情報の交換なのか共有なのか、いずれにせよ気になるこ
となのであろう。
口調は軽いが内容はそこそこ深刻だったりもする。
この症状は実際どれくらいの人に起きているのか、この後
どうなるのか、と知りたいことはいろいろあるようだ。
医師にかかっても、そうしたことまでは教えてくれないとい
うこともあるのだろう。
こうして話ををすることで(あぁ自分の症状も皆と同じなん
だ)と確認できる意義は大きいと思われる。
~続く~