それを読んだのは私が22歳の時である。
「真昼の太陽を40分間直視することが出来たのなら、そ
の人は直ちに光明を得ることができる」
「だが、決してこれを行ってはいけない。網膜が焼ききれ
てしまうからだ」
私はこれを読んで(私にはできる!)とすぐに思った。
1ミリも疑いを持たなかった。
ここで言う「光明を得る」とは、究極の悟りを得るということ
を意味する。
それでは、次に晴れた日にやってみよう。
準備は特に何もしなかった。
晴れの日を待つだけだった。
私は青空が広がった日の正午、太陽直視を開始した。
いきなりである。
精神的に何かをするとか、体調を調整するとか、一切しな
かった。
その必要を感じなかったのだ。
誰かに指導・指示されてではない。
自分でそう判断したのだ。
正午丁度に開始した。
一日で日光が最も強い時間帯に行わなければ意味がない
と考えたからである。
朝日や夕日で試してから、といった選択はなかった。
そんなチマチマしたことをやっているつもりはなかった。
そして、40分が経過した。
さて、私はどうなったのか?
~続く~