ある。(以下敬称略)
落語家の弟子だからさんまも落語家かというと、どう
もそうではないらしい。
さんま自身は自分のことを落語家だとは思っていない。
さんまは落語をやらない。
入門初期に幾つかの噺は稽古はしただけで、本腰を
入れて噺の修行はしていない。
だが芸人としての身の処し方の修行はしている。
師匠の付き人として劇場に同行し楽屋等で師匠の世
話をした。
着物の畳み方を始め着物の手入れの方法も教わリ身
につけた。
さんまはきっちりした人なので、粗相は一切無かったよ
うだ。
あれば面白話としてお笑いネタとして披露しそうである
が、そうしたエピソードを聞かないところところを見るとさ
んまはミス無く師匠に尽くしてきたようだ。
さんまが松之助に弟子入りしたのは、芸能界デビュー
の足がかりが欲しかったからである。
当時吉本興業ではお笑い芸人になるには芸人の弟子
に入るというシステムが基本だった。
そこでさんまは松之助に入門したのであリ、落語をする
つもりはまるで無かった。
さんまがなりたかったのは、お笑い芸人であり落語家で
はなかった。
松之助もそれを了承し弟子入りを認めている。
自分の弟子が将来的に落語家にはならないと理解した上
で弟子として受け入れる、松之助も進んだ頭脳・センスの
持ち主だと思う。
~続く~