翌朝、内容を見る。
市の広報誌や案内プリントといったいつものものに、
今回は別のアイテムがあった。
茶封筒である。
県の護国神社への奉賛金を入れる袋である。
表には寄付を募るお願いの言葉が書かれている。
お願いではあるが、それほどへりくだってもいない点
が護国神社らしい。
下部には中に入れた金額と住所、氏名、といったこと
を記す欄がある。
これらの欄への記入は自由であるが、奉納時に神前
にて祈祷されるので名前等は記入しておいた方が良さ
そうである。
封筒の口はのり付きのワンタッチシールとなっている。
これは結構な制作費がかかっていそうだな。
そうか、護国神社の寄付金集めは今頃だったか。
年にいくつかある町内会のお金集めの最後だったこ
とは憶えていたが、いつだったかすっかり忘れてしまっ
ていた。
前に私が班長を務めてから約10年経っており、私の
貧弱な記憶力では無理ではある。
それに、これは強制力が弱い寄付金要請であること
もある。
ゆるめの寄付金集めなので、記憶に残らなかったとい
うこともあったと思う。
~続く~