人間の感情反応というものは、ほぼパターン化してい
る。
こういうことが起きたら、こうなる、と決まっている。
例外的な動きにはならない。
これは、人間がそれまでに生きてきた中で集積された
記憶をもとにした反応パターンに沿っているからと思わ
れる。
では、経験がない事象、記憶にない事象に会った場合
はどうなるのか?
唖然とする、呆然とするかといった状態になる。
るということである。
感情は停止しており、時間の経過とともに知性が働き
始める。
ここに至り状況の分析が開始される。
そして、「これは間違っている」「おかしい」となる。
知性と先行しつつも停止していた感情が融合される。
ほどなくして怒りが生まれる。
「うちは医者だから、町内の役はやらない」と言うAさん
の態度に対する班の皆さんの反応は、上記のような経
過をたどった。
異例過ぎてすぐには対処できないほどだったのだ。
前例がないことをされると、こうなるのか、という見本
のような状況だった。
しかし、最終的には多くの住民の方が個々に程度の
差はあれど、怒りを覚えるようになった。
当然のことである。
~続く~