12月1日である。
我が家では、毎年この日にこたつを出す。
毎年必ず12月1日である。
11月にどれほど寒くとも、出さない。
12月一日までは、震えてでも我慢する。
逆に、季節外れなほど暖かいとしても12月1日には
出す。
実際には暖かいという年はほとんどないのだが、そ
ういうことになっている。
我が家では、「暖房は12月1日から開始する」と決め
られているのだ。
これは、両親が亡くなり私の独り暮らしになって以降
のことである。
私が決めた我が家の規則なのである。
「そんなこと言ってないで、寒ければさっさと出せば
良い」
「臨機応変に対応するということを知らないのか?」
と言われるかもしれない。
ごもっともである。
私としては「あぁ~寒い」などと言いながら、その年の
寒さを実感したいのである。
この規則は季節感を味わう方法でもあるのだ。
毎年12月1日は、決まって晴天である。
この9年ずっと晴れだった。
それも快晴であることが多い。
晴れの特異日なのかもしれない。
今日からやせ我慢をすることもなくなる。
そして、冬は始まるのである。