私はNHK-FMの「DJクラシック・恋するヴァイオリ
ン」を毎回楽しみにしている。
き応えがあるからである。(以下敬称略)
番組のトーンは、明るくない。
暗いということではない。
「放送だから」というような、お約束の明るさはゼロ
なのである。
軽薄さも無い。
親しみやすさを増そう、とする意図が透けて見える
ような軽さは一切無い。
だが、そこに不自然さは無い。
気持ちのままにトークをしているように聞こえる。
それでいて、あのムードである。
洞窟の中でささやきかけられているような響きがある。
千住の重々しいトークが番組全体を支配している。
そうした姿勢が厭味に感じられることは無い。
思いのことは重いのだが、押しつけがましさや虚勢、
決めつけといった要素がまるで無いからであろう。
番組中に読まれるリスナーからのお便りも、軽めな
ものは少ない。
軽い感じのお便りも届いているのだろうが、あえてそ
れらを番組で取り上げることは避けているのだろう。
これが千住の自然体なのだろう。
このスタイルは唯一無二であろう。
ラジオDJとしては他に例がないだろう。
ラジオだけにとどまらず、テレビでもいないと思われる。
放送に出るような有名人としては異例の存在といえる
だろう。
人気ヴァイオリニストにして、あのトークである。
実に希有なキャラクターだと思う。