雄さん」という記事を読んだ。
あぁ、そうだ、草刈さんは定時制高校の出身だった。
番組を時々聴いていた。
毎週土曜日の夕方6時から20分間の番組だった。
番組は、定時制高校に通う生徒の学校生活での問題点
が取り上げられた。
「仕事を終えて授業を受けていると、つい眠くなって眠っ
てしまう」
「仕事で疲れて授業に身が入らない」
そういったリスナーからのお便りも紹介された。
とても真面目で地味な番組だった。
「若い!」
「青春バンザイ!」
そういったムードはゼロの番組だった。
その番組に突如草刈さんが出演された。
今から40年ほど前のことである。
当時草刈さんは若手ナンバーワンのスターで、長者番
付一位になった頃だった。
(え?草刈さんが定時制の番組?)
普段の番組のカラーとは大いに異なるキャスティング
である。
番組はアナウンサーのインタビューで進んだ。
草刈さんは「僕は定時制の出身です」と言った。
そして、定時制高校時代の楽しかった話、辛かった話を
穏やかに話した。
草刈さんは、母ひとり子一人で厳しい生活だった。
そうしたことをすべて話された。
実に暖かい語り口だった。
「俺も頑張ったから、君たちも頑張れよ」的な上から目
線的な発言は一切無かった。
自然でありながら配慮の行き届いたコメントが続いた。
暖かいハートのある善良な人柄が感じ取れた。
(草刈正雄って、凄い良い人だなぁ)
40年経ってもその放送の印象は薄れていない。