不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

特定検診に行った。その⑤

 私は廊下の長椅子で待つ。
 看護士が寄ってきて私に声をかけた。
 「フジヤさん、診察室へお入りください。長いことお
待たせしましたね」
 普通だったらそろそろイライラし始めるほど待たさ
れたのだが、何故か今回はそうならなかった。
 私は診察室に入る。
 ここは明るいなぁ。
 照明が行き届いている。
 私は患者用の椅子に座る。
 医師はモニターを見ている。
 今は、どこの病院でもこういう感じなのか。
 ここでもう一度血圧を計ることに告げられた。
 え?
 どうして?
 さっき計ったではないか?
 私は状況がわからない。
 さっきの数値が悪かったので、もう一度計るのか?
 気になるなぁ。
 私は尋ねようとしたが、言葉を飲み込んだ。
 私はおとなしく腕を出す。
 ほぼ無抵抗である。
 普段の私では考えられないことである。
 一言ふたことは必ず返しそうなものなのだが、そう
しなかった。
 私はちょっと別人になっていた。
 
 ~続く~